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バラの手入れ12ヶ月

                                                    10月の手入れ                                                                

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 今年最後の開花の季節となりました。「春の花は陽気で咲かせ、秋の花は腕で咲かせる」と言われます様に、春の花後、丹精込めた5ケ月
間の手入れと日頃の努力は、見事な秋花となって答えてくれるでしょう。 秋のばらは深まり行く秋と共に繊細な色調と趣ある花となって,
ゆっくりと展開して行き、香り,色合い,弁質,花型,芯の盛上り(筒状)等春には味わえなかったそれぞれの品種のモチーフが,一花一輪
に集約され,それぞれの特性の生み出す趣き深い造形となって表現されて来る様に思えます。

10月の手入れのポイント


 1)潅  水…………………………過多に注意。開花2週間位前よりの品種別灌水に留意。

 2)施  肥…………………………9月下旬以降は追肥不用(露地植)

 3)消  毒…………………………蕾が萼の間から色が見え出したら集中散布

 4)花の保護………………………強風雨と夜露対策。

 5)バラ展への出品…………頃よく咲いたら1本でも2本でも(向上の為の最短コース)

 6)その他…………………………(1)枝直し。(2)出品に当って

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1.灌 水

 夏の元肥後はマルチングを施してあるものと考えられますし雨量も多い月ですので,特別水捌けの良い土質でもない限り,長雨に依る水捌
けの方が懸念される位です。降雨の状況を見ながら灌水過多にならない様に充分注意しましょう。開花前の灌水は,品種の性質に依り敏感に
影響します。
 春の開花期前の灌水につきましては,「5月の手入れ、1項(灌水)」で簡単に申し述べましたが,秋は春とは気象の条件も異なり開花速
度も悠長に展開する関係からか,灌水の花に対する影響が大きい様に思われます。弁質の弱い品種は,開花迄灌水を続けますと花弁に小皺が
出たり発色に難があって本来の花色を見る事が出来なかったり,様々な悪い結果が生じます。この様に品種に依りそれぞれの特性があります
ので,開花2週間位前頃になりましたら,次表を参考にそれぞれの立地条件,土質等を勘案されて灌水の制御を図る様にして見てはいかがで
しょうか。

秋の開花前に於ける灌水量の品種別多寡表(露地)

 寡灌水品種 稍寡灌水品種  普通灌水品種  多灌水品種 

ロイヤル・ハイネス

コルデス・パーフェクター

マクレディス・アイボリー

マクレディス・イエロー

デザ一ト・ドリーム

アンヌ・レッツ

ヘンリー・フォード

レッド・ライオン

レッド・デブル

ボンソワール

武州
 
あけぼの

そどおりひめ

ゴールデン・ゾンネ

ランドラ

いざよい

ドルチェ・ビ一タ

ビッグ・レッド

アルテス・75

フロージン・82

エスメラルダ

やぶさめ

魅惑

初雁
 
ガーデン・パーティ

レディ・ラック

ピンク・ラスター

パパ・メイアン

清涼殿

スター・クイーン

ブルー・ムーン

モンパルナス

レディ・X

フォルトナ

マダム・ビオーレ

ローラ

マダム・サチ

ヨニナ

ジャルダン・ドゥ・バガテル

熱情

丹頂

ストリーム
 
コンフィダンス

クリスチャン・ディオール

イザベル・ドゥ・オルティック

白秋

ガーデン・パ-ティ,レディ・ラックは,春は開花まで灌水した方が良いと述べましたが、
秋は灌水を少々控え目にした方が結果は良い様です。

灌水の制御法
 寡灌水品種……蕾の萼が割れ色が見えたら,灌水中止。
 稍寡灌水品種萼が展開を始めたら,灌水を中止。

 普通灌水品種花弁が展開を始めたら,灌水を中止。
 多灌水品種……花弁が展開を始めても通常に灌水。

 以上が一応の灌水の目安としたものです。 適切な開花期前の灌水制御が施されれば,きっと色調のよいキリッと締った秋花として,素
晴らしい秀花が見られる事でしょう。しかし、皆様方それぞれの土質や立地条件に依りましても異なりますので,先輩の方々や友人の方々
の助言と情報を戴きながら自己の記録を通して一歩一歩確立して行く様にされれば、年々見違える様な花になって行く事でしょう。

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2.施 肥

 開花時に肥効が残存しますとスッキリした花は望めませんので,今月は原則として施肥はいたしません(露地植)。先月の中旬迄で施肥は
打切り,9月下旬以降は追肥(速効性)も原則として施しません。施肥につきましては,それぞれの土質や立地条件に依りまして異なります
ので,共通の絶対的な実践法はありえません。 しかし、それぞれの庭に最適な施肥の適時適量の用法がある筈ですから,年々試行錯誤しな
がら経験を経て,体得して行く様にされたらいかがでしょう。

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3.消 毒

 今月も先月に続き雨も多く,病虫害の発生も多い月となります。開花期中は消毒をせずに済ませたい(花弁の汚れや染みを防ぐ為)関係も
あって,開花前の葉の固まる(蕾の萼が割れ色が見え出す)頃から萼が蕾より離れる頃迄の10日間位の間に,3日間隔で3回集中散布して
置きますと,開花期中は後述の様な特別の被害発生を見ない限り散布の必要はありません。

 集中散布用薬液

    ダコニ-ル1000(黒点病用)…………………………… 7g(cc) ……(1,400倍)

    または ジマン・ダイセン(黒点病用)…………………15g(cc)…… (700倍)

  トップジンM(ウドンコ病用)……………………………………7g(cc) ……(1,400倍)

  または ベンレート(ウドンコ病)…………………………5g……… (2,000倍)

  スミチオン(害虫用)……………………………………………7cc ………(約1,400倍)

  カスケード乳剤(殺ダニ,殺卵用)……………………………5cc…………   (2,000倍)

  水…………………………………………………………………10㍑   

 黒点病発生時

  単用で サプロール………………………………5cc2,000倍)

      水…………………………………………10㍑

 万一ウドンコ病,落下傘虫,スリップス(花芯に入って体長1mm~2mm位の細長く飛び跳ねる虫で,花弁にシミを付ける)等が開花直前
又は開花中に発生しましたら,部分的に消毒をして蔓延を防ぎましょう。
 ウドンコ病発生時には風通しを良くして蔓延を防ぎ,発生部分にバイレトン乳剤3,000倍液を単用にて2日間隔に2回、ポトリチス病発生
時には花を雨や夜露に当てないようにして上記集中散布用薬液の黒点病用かウドンコ病用の薬剤を単用にて上記希釈率で散布して下さい。
 落下傘虫(夜盗虫の幼虫)は,ステムに蕾が見え始めた頃から夜盗蛾が若葉の裏に産卵し,孵化すると若葉を食害し,風等で枝が揺れると
糸を引いて落下傘の様に降りては他の若葉を次々と食害して行きます。 出来る限り日々葉裏を観察し卵を見付次第カスケード乳剤の1,000
倍液(単用)を卵に噴霧するか,指先で磨り落すなどして殺卵をして下さい。
 スリップスは,春よりも秋の方が発生が多い様に思われます。一分咲きの頃に,スミチオンの2,000倍液(単用)を軽く,サッと花に直接
散布して置きますと,弁質も損ねず,葉害もなく防除出来ます。

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4.花の保護

 秋の花の開花期間は,春の花の期間とは対照的に,10月中頃から11月の中頃迄の約1ケ月の長期に亘って1輪1輪が形を整え、趣を深
めつつ順々に咲いて行きます。花の展開も秋の深まりと共に,悠長に4,5日かけてゆっくりと開いて行きます。従って、春は少々の夜露が
降りましても明日にでも開花して仕舞う様な早い展開をしますので,汚れも余り気になりませんが、秋は一度夜露にかかりますと,展開期間
も長い関係で花弁にシミ等の汚れが生じたり,弁質の損傷が現われたり,その他ポトリチス病が出易くなるばかりか,花弁の多い品種や重ね
の多い品種は腐ったりして醜い花となって仕舞います。特に風雨と夜露には充分注意され,折角の今迄の手入れが仕上げの段階で手落ちやミ
スのない様に努めましょう。その他今月の花の保護につきましては,「5月の手入れ、7項(花の保護)」を参考にして下さい。

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5.バラ展への出品

 秋のバラは栽培と手入れの仕方に依っては,時折従来とは別様の素晴らしい表情を示してくれる事もあります。それぞれに与えられた立地
条件の下で,適切な手法で造り込んで来られた秋花は真に表情も豊かで実に味わいのあるものです。しかしながら、花の優劣は自分自身の趣
向もある事ですし,開花時の気象他の条件等にも左右されることなどから,厳しく自己評価をする事は先ず不可能でしょう。
 この為にも相対評価の場が必要となって来るのではないでしょうか。それぞれが頃よく咲いたばらを1本でも2本でも持ち寄られバラ展に
出品され,楽しい自己評価の場としてお気軽にご利用なさられては如何でしょう。会場での先輩の方々や友人の方々から数多くの助言や評価
等をして戴き客観的花の優劣,欠点等を具体的にはっきりと把握出来たならば,明日への技術(栽培・出品)向上の為の最短コースとなり得
るのではないでしょうか。

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6.その他

(1)枝直し
 バラは品種に依って,花首の曲る癖のある性質のもの,或は花枝の方位に依って自然に曲ってしまった様な時,どうしても「枝直し」が必
要となります。此の作業の必要性と手法につきましては,「5月の手入れ,6項(枝直し)」で、生け込みの為の問題点,枝直しの為の矯正
法等詳しく説明して居りますので,御参照下さい。

(2)出品に当って
採花とタイミング
(イ)原則としては,出品当日の早朝に採花いたします。但し、品種又は当日の気象等の条件に依っては開花タイミングを勘案して,前日の
   夕方等に採花する事も必要となります。
(ロ)花枝の長さは,花の首下より60cm位の部位で,5枚葉(本葉)を,3枚以上付けて採花する様にします。(日本ばら会のコンテスト
   規定:花首より花器の口まで50cm、5枚葉3枚以上を考慮。)
(ハ)品種に依り開花速度が異り,秋は春に較べ特に展開の遅い品種があります。品種の性質を充分考慮に入れて採花する様にします。
(ニ)採花日又は出品当日の気象状況,運搬方法,会場内の温度等に依って開花タイミングが大きく左右されますので,充分これ等も考慮し
   て採花する様にします。
(ホ)採花の際は、通常水切り後1時間位花首まで深水に付け水揚げします。しかし、タイミング的に開き過ぎと感じられる花又は、長時間
   水に付けて置くと弁質や花色に難を生ずる品種は,水切り及び深水付け等の作業は省いて,会場でセットする間際に水切りする程度に
   止めます。
    この様に,開花タイミング及び品種の性質に合せて行う様にします。
(へ)運搬の際は,花を京花紙で1花ずつ包み,花枝は一本ずつ包装紙又はクラフト紙で包み込み(葉を傷付けない様に)数本を纏め,運搬
   容器に入れて運ぶ様にします。
(ト)持ち運ぶ際には,風雨や直射日光に当てない様に,又強い振動も出来る限り与えない様にして持ち運ぶ様にします。

出品花のセレクト
(イ)花の芯(センター)が1つで乱れもなく,針の頭位の芯に締っていて,花弁が展開するに伴って,形良く咲くであろうと思われる
   花であること。
(ロ)弁質が良く,張りのあること。
(ハ)花色は,その品種の特徴を表わしていること。
(ニ)花弁に傷,染み,病虫害跡等のない様な花であること。
(ホ)花首,花枝の曲りも少く,スッキリしていること。
(へ)葉に病虫害又は薬害等の根跡のないこと。

出品に当っての留意
(イ)当日の出品種目に注意して,出来るだけ1つの種目に的を絞ること。
(ロ)生ける時は,花の正面をハッキリ決め見易い様に少々前に傾けて,花枝が揺れ動かない様にシッカリと固定すること。
(ハ)2輪以上の組花出品の際には,花の配色,大小高低,前後左右,広がり等の調和を配慮して,全体のバランスを考えてセットすること。
(二)葉に付いている農薬等の汚れは,綺麗に拭き取ること。
(ホ)審査確定後,入賞の有無を問わず審査員の方や先輩の方々にアドバイスを戴く様にすること。
(へ)ドレッシング(それぞれの品種の持つ,自然のあるべき姿に表現する為の出品技術)は,非常に重要でしかもデリケートな出品技術
   となります。慎重にその品種の持つあるべき自然の美しさや持味を引出す様に,少々手を加えて化粧してあげます。但し,手を加えず
   とも充分アピールされているときは,殆んど手を入れる必要はありません。

 以上で10月の季節の手入れを終りますが,先にも述べましたように、今月は春花以降夏を通して精根込めて育てられたバラ達の成果発表
の場として、バラ展に出品する絶好のチャンスと言えるのではないでしょうか。「臆せず」に,己れの1年の栽培の成果を試してみようでは
ありませんか。


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